巡検報告-2018

村上巡検

実施日 2018年8月19日(日)~8月22日(水)
参加学生 2年生 19名
調査地 新潟県村上市
引率教員 江口 誠一 教授,渡邉 稜也(TA)

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 本巡検は,地理学科2年生専門科目「野外調査法」の実習として,新潟県村上市において8月19~22日に実施された。「新潟県北地域における自然環境と土地利用」をテーマに,学生が主体的に計画を立て,調査を行うことで技能の習得を図った。

新潟県村上市は,県の最北に位置し,西側は日本海に面する。市の北部は山地が続き,その南を三面川が東西に流れる。この河川より南部には,海岸砂丘が発達する。植生は,沿岸部で常緑広葉樹林が,内陸部にブナ林が分布し,冷温帯・暖温帯の境界域である。海岸砂丘では,草本,低木を主体とした海浜植生がみられる。

これらの自然環境を背景に,当市は茶の生産,サケの養殖などが発展し,山地には焼畑農業を行う地域が現存する。砂丘の後背には,中心市街地が広がり,城下町の街並みが一部に残る。市役所の東隣の道路では,2と7のつく日付に六斎市が開かれる。前期授業では,調査班を編成し,これら地域の特色に基づいた調査内容を班ごとに決定した。

全体巡検は8月20日に行い,8:30に村上駅東口を経った。午前中は三面川右岸の羽下ヶ渕地区の茶畑,三面川河口部のタブノキ林を巡った後,市最北部の筥堅八幡宮において南北の要素が混在する森林植生を観察した。午後は市北部の山地における焼畑に伴う火入れ実施地を訪れ,生産者や土地所有者に聞き取りを行った。新潟県森林研究所では,県内におけるブナ林について講義を受けた後,全国各地のブナが植栽された実験地を見学し,生育地による葉の大きさの違いを学んだ。17時ごろに村上市街へ戻り,村上城跡のある臥牛山において,ブナとササの生育状況を観察した。最後に,瀬波海岸の砂浜において海岸植物の構成種を確認し,18:30に村上駅へ戻った。

1日目及び3~4日目は各班で調査を行った。内容は,ブナ林や常緑広葉樹林における毎木調査,砂浜海岸における植生調査と地形断面の簡易測量,村上茶や焼畑についての聞き取り,六斎市と周辺スーパーマーケットの品目比較などで,役所や博物館での資料閲覧も行った。各日の夕食後のミーティングでは,班ごとに当日の結果を報告し,議論した。調査結果は,後期開講の「地域分析法」においてまとめ,その成果を平成30年度日本大学地理学会秋季学術大会で発表する予定である。

PHOTO

写真1 三面川河口の常緑広葉樹林 写真2 臥牛山のブナ林 写真3 羽下ヶ渕地区の茶畑 写真4 市北部の焼畑に伴う火入れ地
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