GLOBALとLOCALな視点

GLOBAL グローバル化が進み、さらに複雑化していく現代。世界をとりまくさまざまな課題を、地理学の観点から解決へと導いていきます。

民族が暮らすロサンゼルスへのアプローチ 矢ケ﨑 典隆[教授] 地誌学、アメリカ地域研究

アメリカ合衆国のロサンゼルスには多様な人々が生活し、移民街がいくつもあります。日本人の街はリトルトーキョーです。第二次世界大戦後、多くの日本人は郊外に住むようになりました。しかし、この街の中心にある全米日系人博物館は移民史を記録していますし、8月にはニセイウィーク祭りが開かれます。この街は日本人にとって心のよりどころです。地理学は移民街や移民社会の理解に貢献する学問です。

カンボジアの遺跡とくらし 藁谷 哲也[教授] 地形学、岩石風化論

カンボジア・シェムリアップは、世界中の旅行者が選んだ人気観光地第2位(2015年)です。ここには、9~14世紀につくられたアンコール遺跡があり、ユネスコ世界遺産に指定されているため、多くの観光客が訪れているのです。街に観光客があふれる一方、山地に暮らす人々では、森林伐採で農地を作り細々と生活維持の基盤としているものもいます。視野を広げると、地域の現状を多面的に知ることができます。

LOCAL 私たちの住む街、日本。長い歴史の中で、その地域ならではの風土や伝統が育まれてきました。日本各地の“なぜ?”を解き明かしていきます。

産業の立地や展開について考えよう 井村 博宣[教授] 経済地理学、歴史地理学

徳島県の那賀川平野では、かつてはアユ養殖池が概ね平野の全域でみられましたが、オイルショック後は平野中央部への残存集中が進みました。これは、産地間競争の激化で生産費の軽減が必要となり、魚の成長を通して生産費に大きな影響を及ぼす水条件の優劣を反映し、養殖地域の盛衰分化が進行したためです。自然から社会・経済条件まで、総合的かつ生態的に考察する経済地理学ならば、こうした産業の立地や展開等にかかわる謎を解くことができます。

土地の成り立ちを知って自然災害に備えよう 佐藤 浩[准教授] 自然災害科学、リモートセンシング

2015年9月の洪水による鬼怒川の破堤地点を、地理院地図(http://maps.gsi.go.jp)の治水地形分類図(左)に×で示しました。黄色で示された自然堤防には、周囲より標高がやや高いので、水害を少しでも避けるため村落が立地します。しかし、砂や粘土などの洪水堆積物から成り立つので、水害が全くないとは言えません(右)。人工堤防と対になる言葉ではなく、沿川では、氾濫の危険が高まったときの避難は重要です。